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『原発労働記』

『原発労働記』
堀江邦夫(講談社文庫)

福島第一2号機キセノン検出のニュースが飛び込んできた。大きな書店ではいまなお原発関連書籍のコーナーがあって、少しも風化していない。そのコーナーで本書を手にした。

本書は1978年9月28日からはじまり、翌年4月19日に終了する原子力発電所内での作業記録である。筆者はこの間、末端労働者として美浜、福島第一、敦賀原発の定期検査現場に赴かれた。日記形式で作業内容が細かく具体的に書かれているので、読み進めるだけで被曝線量が蓄積して体調が悪くなりそうだ。

どうすれば原発で働けるか、アテもなかった筆者はとりあえず原発周辺の旅館に宿泊した。そして旅館の主人に「なにか良い仕事でも…」と相談を持ちかけたところ、手配業者に連絡をとってくれたとのこと。

筆者は、素性も経歴を尋ねられることなくスグに採用が決まり、イキナリ過酷な現場にかり出された。安全教育や健康診断もあるが、形式的なもので、仮に引っかかっても抜け道が用意されている。もちろん孫請け、ひ孫請けの労働者としてである。

福島第一のタービン建屋内で、筆者は誤ってマンホールに落ちてしまった。そのとき、激痛で立ち上がれないにもかかわらず、「東電の社員が見まわりでウロウロしているから、ちょっと立って、仕事しているふりをしろよ」と指示されるのである。後に病院に運び込まれて、左肋骨骨折と診断されるが、下請け会社から治療費が支払われた。労災扱いにすると東電に迷惑がかかるから、というのが請負会社の言い分であった。

本書略歴によると、筆者はライターとして本書以外にもいくつかの本を著されている。また大学でも記録文学ゼミをもたれている。原発に限らず過酷な労働現場で働く方々の多くはルポを書くリテラシーを持ち合わせていない。筆者は、そんな労働者たちの声を代返するために、自ら過酷な現場に出向かれたともいえる。本書むすびのことばから、以下抜粋する。
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コンクリートに囲まれた原子炉内の暗い暑い現場にはいりこみ、日々、放射能をその全身に浴びながら、ただひたすら黙々と働く下請け労働者たちがいることを、さらには、彼ら労働者たちの被曝無くして原発は決して動かないのだ、との重い現実にも想いを寄せていただけたら、と思います。
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本書は30年前の記録である。では30年経った現在はどうなのか、との質問が筆者に寄せられているとのこと。それに対して、本書のむすびで筆者は1枚の図表を提示されている。みると、被曝量は3分の2程度に落ちているが原発稼働数は5倍に増えている。現場の数が5倍に増えているので、何も改善されていないどころか、現場を渡り歩く労働者の蓄積被曝量は増大しているにちがいない。

国や電力会社が絶対安全と言っているのは、あくまでも計画・設計段階までの話にすぎない。その証拠に役人や経営陣は決して現場に張り付かない。稼働は下請け会社に丸投げだ。じっさいに稼働を支えてるのは孫請け以下(7次、8次請けまであるらしい)の労働者たちであり、作業内容はあまりにも前近代的である。
最近、「東電支払1日10万円、現場では日当8000円」というネット記事があった。中間搾取額にも驚くが、1日10万円まで支払わなければならないほどのヤバイ仕事であることを東電が知っていることにさらに驚かされる。この労働構造が解消されない限り、原発は絵に描いた餅にすぎない。

本書と同じく、じっさいに原発現場で働いた人のことばがネットでたしかめられる。
http://www.iam-t.jp/HIRAI/pageall.html
あわせて以下、スペインの新聞記事もたしかめられたい。
http://www.jca.apc.org/mihama/rosai/elmundo030608.htm
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