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『たった一人の30年戦争』

『たった一人の30年戦争』
小野田寛朗(東京新聞出版局)

横井庄一さんに続いて、小野田寛朗さんの手記も読み返してみた。あらためて衝撃的な内容である。小野田さんが発見されたのは横井さん発見の2年後であり、横井さんとは対極的な人間像が当時のマスコミを賑わした。横井さんが人間としてのサバイバルであったとするならば、小野田さんは徹頭徹尾ゲリラ戦士としてのサバイバルを貫かれた。

小野田さんのジャングル生活は4人で始められたが、途中1名が逃亡(投降)したので、米軍に消息が知れることになる。そのため1名が銃撃戦で亡くなり、残された2名で決死のゲリラ戦にあけくれた。本書には書かれていないがウィキペディアによるとアメリカ軍レーダー基地を襲撃したり司令官を狙撃するなどそれなりに戦果をあげて、地元警察・米軍兵士を30人以上を殺傷したとのこと。

横井さんがひっそり隠れ棲んでいたのにくらべて、小野田さんらはゲリラ兵士として略奪・発砲、はたまた存在を誇示するために狼煙まであげていた。日本から捜査隊が派遣されたが、小野田さんは警戒して姿をあらわさない。そこに登場するのが鈴木紀夫さんというワケのわからない青年である。そのときの様子が本書で次のように書かれている。

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 私はポイントが見下せる斜面に立ち、大きなマンゴーの木の陰から様子をうかがった。昨年、捜査隊が立てていった日章旗のほかに、もう一つ新しい日の丸が立っていた。これが“冒険男”鈴木紀夫青年のキャンプだった。 鈴木君の出現は、これまでの大掛かりな捜査のやり方を無視したまったく非常識なものだった。
 彼はたった一人で島へやってきて、私の偵察巡回の要所だった「和歌山ポイント」にテントを張り、待ち伏せ作戦に出た。
 最近、静かにしている敵が最後に考える討伐作戦として、私が最も警戒している方法であった。
 「殺す以外ない」 
 私は本当にそう思っていた。
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ところが、小野田さんが実際に鈴木青年と対面すると、丸腰で毛の靴下にサンダル履きという珍妙なスタイルに面食らってしまった。
鈴木紀夫さんは小野田さん発見者として一躍有名になり、後に雪男発見の旅に出てヒマラヤ山中で遭難死。小野田さんは律儀に鈴木青年最後のベースキャンプに赴いてウイスキーとマールボロを供えられた(マールボロは、小野田さん発見の際、恐怖に震える手で差し出された銘柄であった)。そして本書(2010年発行第32刷)において、次のように述懐されている。

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 きっと彼は、雪男を見たのだ。夢を実現したのだ。そうでなければ、慌ただしくベースキャンプを離れて、雪崩に遭遇するような現場へ行くはずがない―私はそう思った。
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自分を発見するためにルバング島でテントを張り何日も待ち続けた鈴木青年を知る、小野田さんならでは直感であり優しさである。小野田さんはブラジル生活をきりあげて、現在福島山中で「小野田自然塾」を主宰されているとのこと。横井さんが亡くなられたいま、小野田さんにはずっと長生きしてもらいたいと思うのだ。




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