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『あんぽん 孫正義伝』

『あんぽん 孫正義伝』
佐野眞一(小学館)

本書はいま書店で山積みになっており、迷いつつも、つい買ってしまった。迷った理由は、以前同じ著者による『東電OL殺人事件』を読んで、読後感が悪かったからである。大宅壮一ノンフィクション賞を受賞した『旅する巨人─宮本常一と渋沢敬三』も読んだことがあるが、なにかスッキリしないのだ。たしかに膨大な参考文献をもとに丁寧な取材が積み重ねられた労作に違いない。しかし、ふたたびページをめくる気になれない。私はどうも苦手だ。

本書は、IT起業家の孫正義を題材にしたルポであるが、ページの大半を「在日」という出自にあてている。それは性癖といってもいいぐらいに執拗で、陰湿な執筆姿勢が表題に集約されている。「あんぽん」は、孫社長の旧姓「安本」の蔑称で、差別されからかわれた当時のあだ名なのだ。
『東電OL殺人事件』のときもそうだったが、話が行きつ戻りつして時系列が乱れ、筆者の思い入れが繰り返されて、読みづらいことこの上ない。全編暗い調子で、途中でつらくなってくる。結局何を言いたいのかもわからない。本書最後で筆者は次のように自画自賛しているが…。

「人間を描く場合、その人物が絶対に見ることができない背中や内蔵から描く、それが私の人物論の基本姿勢である。いささかの自負を込めて言えば、孫正義をテーマにこれまで書かれたどんな本より、本書は百倍は面白いと確信している」

本書は週刊誌に連載されて大きな反響があったとのこと。おそらく週刊誌購読層の関心は満たしているのであろう。なおかつ連載後の単行本化なので、掲載料+印税で売文家業としては大成功だ。この筆者の著書を絶賛する読者も数多い。私のような読後感を持つ者は少数派であろう。なので、あえて述べてみた。

本書では、孫社長とのインタビューもおさめられている。どんな質問にも明るく誠実に応える孫社長の姿があざやかで、本編の暗さを救ってくれる。時の勢いのある人は、さすがに強い。先の大阪市長選最中、橋下候補の出自に大見出しをたててネガティブキャンペーンをはった週刊誌があったにもかかわらず、橋下氏は当選したことが思い返された(かといって、私は孫社長や橋下市長に肩入れしているわけではないが…)。

孫社長の旧姓に関連して、私にとってなつかしの本が登場する。それは安本末子著『にあんちゃん』(光文社カッパブックス)である。書棚を探すと2冊あった。昭和34年と昭和50年発行版でともにカバーは無し。小学校のときに感動して読んだ本で、よくもまあ残っていたものだ。筆者は孫社長とのインタビューの際、『にあんちゃん』(文庫版)を手みやげに持っていった。その理由は孫社長の旧姓「安本」と同姓、在日、佐賀県という共通項があることによる。孫社長は「ありがとうございます。まだ読んでいないので、読んでみます」と応えている。

本書でよかったことは、『にあんちゃん』再読の機会を与えてくれたこと。手痛い出費であったが、これだけも十分とすべしか。

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