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[T12] まとめtyaiました【『解読!アルキメデス写本』】

『解読!アルキメデス写本』リヴィエル・ネッツ/ウィリアム・ノエル(光文社)古書店で数冊買い込んだが、それなりに厚い本ばかりで読むのに時間がかかっている。本書はそのなかの一冊でようやく読み終えた。しかし面白かった。本にはさまざまなジャンルがあるが、私は本?...

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『解読!アルキメデス写本』

『解読!アルキメデス写本』
リヴィエル・ネッツ/ウィリアム・ノエル(光文社)

古書店で数冊買い込んだが、それなりに厚い本ばかりで読むのに時間がかかっている。本書はそのなかの一冊でようやく読み終えた。しかし面白かった。本にはさまざまなジャンルがあるが、私は本書のようなサイエンス・ノンフィクションが一番好きかもしれない。

1998年10月29日、クリスティーズのニューヨーク競売場に、古い祈禱書が一冊出品された(本書口絵カラー写真をみると、本当に古くてボロボロ。ページをめくると壊れてしまいそうだ。しかも小さい)。ところが、この祈禱書の下にアルキメデスが遺したことばがしるされている可能性が噂されていた。競りの結果、匿名のIT長者が200万ドルで落札して、本書筆者のひとりウィリアム・ノエルに研究解明を託した。

ノエルは米国ウォルター美術館で写本・稀観本を扱う専門家で、すぐにプロジェクトをたちあげた。そしていくつもの障壁を乗り越え、先端の画像化技術も駆使して、ついに祈禱書に眠る紀元前のアルキメデスの言葉を蘇らせた。と書くとあっけないが、カラー写真にあるボロボロの本をみる限り、奇蹟的な業績としかいいようがない。本書はそのプロセスを詳細に語ったものである。

アルキメデスにはA写本、B写本、C写本と呼ばれる3つの写本が遺されており、『平面の釣り合い』はすべてに、『放物線の求積について』はAとBに、『球と円柱について』・『円の計測』・『螺線について』はAとCに、『浮体について』はBとCに…などと内容が重複して収録されている。ところが『円錐状体と球状体について』・『砂粒を数える者』はA写本にのみ、『方法』・『ストマキオン』はC写本にのみにしか収録されていない。ノエルに託された本はC写本であり、このことが数学者たち興奮を与えた。またA写本とB写本は現存していないので、C写本は現存する最古の写本となった。羊皮紙の写本形態からアルキメデスのパリンプセストと呼ばれている。

もうひとりの筆者リヴィエル・ネッツは、スタンフォード大学教授でギリシア数学の専門家。ノエルのプロジェクト・パートナーとしてもっぱら解読を担当した。その際、たのもしいことに日本人の数学者(大阪府立大学/斎藤憲)も登場するので、親近感をもって本書を読み進めることができる。斎藤憲氏は本書にすばらしい解説も寄せられている。その解説のなかで述べられているように、ネッツは優れた数学者であるばかりか、ふつうの人にもわかるように明解に説明できる筆力もあわせ持っているので、私のような門外漢でも数学物語として楽しむことができる。

ネッツの解説で興味深かったところは、ギリシア数学は数式以前の科学であり、視覚の科学であるということ。そのため図を重視した、というよりも図がすべてであった(アルキメデスの墓にも図が刻まれていた)。
解明された『ストマキオン』は正方形を14のピースに分割したパズルで、タングラムとして図形遊びがきるものだ。私ならば動物や乗り物のシルエット遊びをして楽しむところだが、アルキメデスの狙いはそんなところにあるはずはなく、研究者たちを悩ました。やがて正方形にできる組み合わせが17152通りもあることが確かめられた。この結果をもとに、ネッツは数学史上初の「組み合わせ論」であったことを導きだした。

さて人類史上、指折り数える天才のひとりであるアルキメデスについて…、などと私ごときが語りだすと笑われてしまう。ウィキペディア閲覧後、楽しい数学者列伝『数学を作った人々-I』(E.T.ベル)を読まれたい。そして本書のネッツが語るアルキメデスを堪能してほしい。
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